リテラシゼミ,報告会,勉強
午前中はリテラシゼミ.
午後,リレーコラムの原稿を送付し,報告会.
夕方にかけて Hofbauer and Sandholm (2007) にとりかかる.
授業評価アンケートはほぼ問題なし.
[1]をパラパラ眺めたり,講義資料を作ったり.
身体はまだ完全には復調していない.
[1] Baxter, M. and Rennie, A., Financial Calculus : An Introduction to Derivative Pricing, Cambridge University Press, 1996.
午前中はリテラシゼミ.みんな発表が上手.
午後は報告会.その後,学生と打ち合わせ.
TBP のほうは HKSTS の準備.trial-and-error process が最適解に到達することを証明するための筋道を説明.
「Hofbauer and Sandholm (2007) を理解する会」の日時と場所が決定.ええそうですよ.ネーミング・センス悪いですよ.
夕方からISホームページのリレーコラム用の原稿を作成.
午前中は10月からの研究生が来訪.研究テーマについて色々話す.
午後から某会議.「特定の科目」の成績と全体の成績の「相関」を取ることに意味はあるんだろうか.相関が強ければその「特定の科目」の教育方法を変えることも検討する,という目的らしいが…
# 景気がよくなると女性のスカート丈は短くなる傾向にあるが,女の子に無理矢理ミニを履かせたところで景気はよくならない.
午後,合同輪講.練習では時間を大幅に超過していた学生も時間内に発表をおさめてくれたし,2名とも質疑応答は割と堂々としていた.来年はぜひ学会で発表してもらおう.覚悟するよう楽しみにしててね>読者2名
東北大へ.
都市モデル関係の研究ネタをふたつ.
ネタ1:自分で手を動かしてみないとさっぱり判らん.頑張ります.
ネタ2:論文は読んでみた.f は V の関数になるので,それを代入すれば非線形偏微分を含んだ一般化相補性問題で書けそうな気が.
なんだか最近は学内委員関係のメール書きと打ち合わせばかりしてる.
午前中,打ち合わせ.
午後,合同輪講の発表練習.
やな予感が的中.発表の準備で徹夜してはいけない,とあれほど言ったのに.
・読んで理解した内容をとことん説明する
ことと,
・「この論文が,どんな背景で,どんな問題を,どんな方法で扱い,その結果何が判ったのか」を制限時間内に説明
ことの違いは明白なんだけど,徹夜してるとそれが判らなくなる.
その後,10月入学の希望者と面談.面白い研究テーマを2つほど思いついた.
夕方は諸事情により早めに帰宅.
午前中はリテラシゼミ.文章コースはおしまい.学生同士で自分の書いた文章を添削し合う日は来るのでしょうか.
その後,メール書き.
午後は OR に論文を投稿.推薦図書をピックアップ.結城先生の「数学ガール」は自分でも読んでみたかったり.
報告会は淡々と.
学生と打ち合わせ I.Double auction の連続緩和とメカニズムに関して.制約条件の行列を分割して考えると balanced matrix になることを証明できる,というのは学生のアイデア.メカニズムは Chu and Shen (2006) をちゃんと読んでから.
学生と打ち合わせ II.2項モデルの計算を octave でやろうとしてつまづいた学生には,どうやったらベクトルを使って2項モデルが表現できるかを説明.そういえば,どうせ Euler 陽スキームも勉強するんだから帯行列使う方法も教えとくべきだな.明日やろう.
学生と打ち合わせ III.合同輪講.モデルの説明より問題の枠組の説明の方が大事な時もある.
午前中はメール書きと某論文の査読.土曜日のセミナーで脳がフレッシュな内に double auction のメカニズムについて学生と議論したかったが,機会を逸す.こちらが話したい時にいつでも居るとは限らないが,それはお互い様なのでイライラしてはいけない.
午後,高橋さんが来訪.金利期間構造モデルがよくわかっていなくて迷惑をかけちゃいましたが,とても楽しかったです.
夕方,学生と合同輪講打ち合わせ.Huchzermeier and Loch (2001) で苦しんでいたようなので,具体的に2ステージ・モデルを勝手に構築して説明してみたところ,すっかり理解できたようだ.
勉強というのは洪水に似ている.判らないからといって放り出さず,一所懸命に考え,読み直し,悩み抜く.それによって,堰に水が溜まるかの如く「判らんエネルギー」が蓄えられていく.アドバイスやヒントで堰に穴が穿たれた時「判らんエネルギー」は洪水のように迸りながら「判ったエネルギー」へと変わっていく.そんなとき,学生は大抵,素晴しい表情をしている.脳の中でもシナプスがすごい勢いで繋ってるんだろうな.教育に携わっていてよかった,と心から思える瞬間である.
[1] Huchzermeier, A. and Loch, C. H., Project Management Under Risk: Using the Real Options Approach to Evaluate Flexibility in R&D, Management Science 47(1), pp.85-101, 2001.
独習で撃沈したM♯凸がちょっと判ったかもしれん.
「M♯凸ではたかだか1歩か2歩動いた先の点に対する値の大小しか問わない」のがミソだ.と思い込んでおくことにする.
M♯凸関数の和は M♯凸関数にならない(M♯凸性は和に対して保存されない)が,交叉凸性をもつ.この交叉凸性の証明にはネットワークフローアルゴリズムを用いるらしい.何かにすぐ応用できるとは思えないけど,その発想は面白い.
午前は合同輪講打ち合わせ.プロジェクト意思決定は,プロジェクトの価値を最大化するために行われる.したがって,プロジェクト価格評価問題とプロジェクト意思決定問題は同じものになる.プロジェクトはキャッシュフローを発生させる実物資産なので,その価格評価に金融資産評価手法(≒金融工学)を使いましょう.ただし,プロジェクトのキャッシュフロー変動には不完備市場リスクが含まれますよ,という話.
午後,学生訪問.経営学と経営工学と金融工学は全然違うものだけど混同されやすい.いろいろ説明してるつもりが「長江研は数理系か工学なら何でもアリ」ということを繰り返してるだけだったりする.
その後,合同輪講の別の打ち合わせをしたり,チケット・オークションの研究打ち合わせをしたり.
夕方,秋葉原ダイビルで入試説明会.前回の反省を活かして,自分の講座を手厚く説明.その方が学生の反応が良いことも実感.
明日はGRIPで離散凸解析+ゲームの勉強会.楽しみだが居眠り注意である.
講義アイデアは完備市場の多期間モデルまで完成.
完備市場における
「プロジェクトの適切な取引価格」=「プロジェクト収益を模擬するポートフォリオの期首価格」=「リスク中立確率の下でのプロジェクト収益の期待現在価値」
という構図を,Cochrane (2001) の2期-2状態モデルを用いて説明する方法を工夫してみた:
1) 完備市場では,プロジェクトの期末収益と全く同じ収益をもたらすポートフォリオ(=模擬ポートフォリオ)が構築できる.
2) このとき,無裁定原理の下では,プロジェクトの期首価格と模擬ポートフォリオの期首価格は等しくなる
3) いま,期首価格が100であるような模擬ポートフォリオは無数に考えることができる.
4) これらの等価ポートフォリオの期末収益を2状態図上にプロットすると直線になる.
5) 期首価格が50である模擬ポートフォリオも無数に考えられる.当然,これらの期末収益は,4) に並行する直線となる.
6) 同様に,期首価格が 0, 10, 20, 30, ... となるポートフォリオの期末収益は,いずれも,並行な直線を描く.
7) これらの平行線に直交するベクトルは pricing kernel と呼ばれる.
8) ベクトルの内積の定義と期首価格の等高線の性質を用いれば,任意の資産の期首価格が,その期末収益(を2状態図上にプロットしたもの)とpricing kernel との内積に一致することが確認できる.
次に連続時間モデルと不完備市場モデルのどちらを考えるか迷ったが,Smith and Nau (1995) を読んで迷子ちゃんになりそうな学生のために,まずは不完備市場モデルを考えることに.
午前中はリテラシゼミ.だいぶ要領が判ってきたのか「ここは主語がない」とか「ここは論理的流れが変」といったことに関して学生からの意見が出るようになってきた.
午後,報告会.M1にハッパかけすぎたかもしれないと反省.分散輸送問題は,プログラムが適切に動いてそうなことを確認.
赤松先生と連絡が取れた.例の論文は MS→OR.それ以外に,数値計算やテクニカルな部分で貢献できそうな共同研究など.
午前中,Octave をインストールしてみたり.
http://www.musin.co.jp/Computer/macsub/scilab_octave.html
午後,合同輪講.指定質問者スキームは功を奏しているようだ.
学生と打ち合わせ.分散輸送問題について,経路が列挙できる場合は経路-リンク接続行列をうまく使うことでリンク変数表示の問題を経路変数表示の問題に変換できることを説明.
「行列同士の掛け算」は「行列と列ベクトルの掛け算」の繰り返しであり,「行列と列ベクトルの掛け算」は「列ベクトルの重みつき足し算」である,と説明すると,行列計算に慣れていない学生でも論理展開についてこれる.
合同輪講後,テキストの構想を練るもあまり進まず.
午後から PFI研究小委員会とリスクマネジメント研究部会.
「暴れてもらって構いません」
という許可を頂いたので,頑張ってみることに.
大学に戻ってみると Scilab と格闘中の学生から stacksize exceeded とエラーが出て動きません,と泣き言.確かに linpro が動かない.sparse にしてみてもダメ.制約条件に使ってるのは20000×200程度の疎行列.大きすぎ?
とりあえず,まずは問題規模を小さくしてみて,プログラムがちゃんと動作することを確認してもらうことに.
というか,小規模問題で動作を確認してから,徐々に規模を大きくしていく,という基本を教えるのを忘れていた.
昨夜からプロジェクト評価に関するメモを作成中.
午前中,進化ゲーム理論に関する勉強会のスケジュール案を作成.
午後は会議2つ.その合間に学生と打ち合わせ.シンプレックス法としての解釈ではなく,制約条件を決定づけるパラメータが観測できない場合に,許容領域を広げながら真の最適解を探すプロセスとして解釈できるような気が.
MATLAB の repmat(M, n, m)
に相当する SciLAB のコマンドは,ones(n, m) .*. M
.eye(n) .*n M
とすればブロック対角行列なども容易に作成可能.
通行権取引制度は,提案アルゴリズムがシンプレックス法として解釈できないかどうか検討継続.
Smith and Nau (1995) の合同輪講スライドをチェック.ストーリーは大体できつつある.
午前中,昨日のセミナーで思いついた内容をまとめるつもりが,いつの間にか後期の授業の構想を練っていたり.
午後,報告会.珍しく全員集合.
夕方にかけて学生と打ち合わせ.Huchzermeier and Loch (2001) は一部デタラメっぽい.5つの不確実性と言っているが,同時に扱ってるのは2つだけだし,その内の一つは静的なリスクで,しかも事前に計算できるので実質1つだ.問題の構造は撤退オプションに状態変数のジャンプ(幅固定)・オプションを入れたもの.
[1] Huchzermeier, A. and Loch, C. H., Project Management Under Risk: Using the Real Options Approach to Evaluate Flexibility in R&D, Management Science 47(1), pp. 85–101, 2001.
リアルオプション研究会.非完備市場において,ヘッジ・エラーの分散(=誤差二乗の期待値)や絶対値の期待値を最小化させるポートフォリオ問題.期待絶対値最小化問題の面白い点:
i) 人工的な変数を導入すれば線形計画に帰着する;
ii) 超過ヘッジと過少ヘッジが50%づつ生じるようなポートフォリオを求める問題と等価.
ii) の性質は,超過ヘッジと過少ヘッジの比率が異なる問題(c.f. VaR)にも容易に一般化できる.こうしたポートフォリオ選択基準に対応する効用関数はあるのか?という疑問が浮かんだが,ついさっき消えた.
もしかしたら,双対問題としてのポートフォリオ問題は,効用最大化ではなくリスク測度最小の方が整合的なのかも.そもそもランダム効用理論(=多項式体系)はリスクをモーメントの観点しか見れないんだし…… ああそうか.こないだ聞いた宮原先生の risk measure の話だ.