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2009/05/29

健康診断

休暇明け.午前中に本棚が納入される予定だったのが昼過ぎまでズレ込んだ.おかげで午前の健康診断に行くつもりで朝食を抜いたのが昼食まで抜くハメに.血糖値が回復したのは15時頃.

夕方にかけて仕事モード.チケット・オークションの構造は balanced matrix になりそう.つまり,勝者決定問題を線形計画問題に緩和できる.そのため,入札者が多くてもVCGメカニズムを導入できる.なお,仲介者は大損し得るので,その損失の程度を定量的に分析する必要はある.発想自体が straightforward なので既存研究があるような気がする…

合同輪講で Smith and Nau (1995) を読ませている.本来,無裁定条件下でのリスク中立確率推定問題(option pricing theory)と,効用最大化 portfolio 問題(decision science/economics)は双対関係にあるのだが,Smith and Nau(1995) では若干の混乱が見られる:完備市場リスクの評価にはリスク中立確率を,不完備市場リスクの評価には効用関数(正確には確実性等価)を用いている.このあたりは長江・赤松(2004),赤松・長江(2003)で整理してあるので,今後の研究では,それを「参入・撤退」のような複雑な real option へ拡張したり,risk measure との関係を明らかにしたりする.

Smith, J. E. and Nau, R. F., Valuing Risky Projects: Option Pricing Theory and Decision Analysis, Management Science 41(5), pp. 795-816, 1995.