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2007/10/01

無差別価格アプローチ,リサイクル財在庫管理

Musiela and Zariphopoulou (2004a, b)を読みきったので忘れないうちにメモを取る. 資産価格と非市場資産のレベルのいずれもが幾何Brown運動に従うとき,効用無差別価格は,1) non-tradable risk を反映して歪められた(distorted) payoff を 2) 市場資産に対する martingale measure で期待値を取ったもの,として表現される,という結論は,赤松・長江(2004)と同様.ただし,我々の結論は,無差別価格ではなく,相対エントロピー制約下での無裁定価格の最大値(あるいは拡張super-hedge問題の結果得られるportfolio価値)に対して成立するもの.久しぶりに数式展開にも萌えた.

Y中君来訪.研究の進め方について相談に乗る.

Y木君とリサイクル財の在庫管理問題について議論.
1) 問屋が仕入価格をコントロールできる場合
2) 問屋が仕入価格を固定した場合
の2ケースを考えるとき,前者の最適値関数と後者のそれとの差は,
「回収業者が問屋に対して“仕入価格を一定にしてもらう”保険(オプション)」
の(売り手)価格となる.
つまり,回収業者がそれだけのお金を問屋に払えば,仕入価格の変動を完全にゼロにできるのだ.
本来ならば,実データを使って,このオプションの価格を計算してみたいところだが,今回は感度分析を行うに留めるつもり.一応,大体の全貌を掴んだ気分.