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2007/06/13

C9全体ゼミ,学生打ち合わせ,地域開発効果の不均等性

午前中は C9 全体ゼミ.公共交通機関を利用してデパートで買い物をした人にポイントをあげる,というシステムを考える(どの交通機関にいくら払ってきたかはICカードや磁気カードの履歴で調べられるとする).このとき,ポイント還元方法によって,利用者意識は大きく異なる:

  • 交通利用クーポン(ICOCAチャージやするっと関西カード)として還元:
    買い物をした金額に応じて,運賃の一部を交通利用クーポンで還元.
    利用者はクーポンを使うために,再び公共交通機関を利用したいと考える
    (例えば,買い物したデパートからの帰りに同じ電車を利用する)
  • デパートの商品クーポンとして還元:
    移動距離などに応じて,降車駅で,利用金額の一部を商品クーポンとして還元.
    クーポンはデパートでしか使えないため,利用者はデパートで買い物をしたいと考える.
    この場合,交通機関からデパートへの所得移転が行われる.
  • 現金で還元:
    買い物をした金額に応じて,運賃の一部を現金で還元.
    還元された現金は,交通機関の利用にも,デパートでの商品購入にも,それ以外にも使える.
    そのため,交通機関とデパートのシステム以外とのやり取りが必要.
じっくり考えると面白そうだ.

午後からN井君が相談に来る.住民主体の防災公園整備事業に,大集団のジレンマをそのまま適用できる例を一つ紹介した.非線形性を入れたり,不確実性を入れたり,あいまい性回避性向を入れたり,個人的減災と集団的減災の代替性を入れたりと,いくらでも面白くできそうだ.

夜,10x10の数値計算を走らせる横で,以前,小野先生のところで議論した地域開発効果の不均等性についてメモをまとめる.これも防災計画と組み合わせると面白い論文が書けそう.